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2018年7月2日月曜日

誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談 節税1 暦年贈与

前回のReview 「誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談2

今回も引き続き,相続に関する相談です。

CASE5 相続を考え出した池袋さんの場合2

今現在70歳で,仕事は引退済み。同い年の奥さんと結婚していて,お子さんはいないという,池袋さん。

池袋さんには,年に数回交流のあるお兄さんと,全く交流のない妹さんがいます。

現時点での財産は,約1億円。

可能な範囲で節税したいとのこと。

今回から,節税について説明します。



節税方法その1  暦年贈与

暦年贈与(れきねんぞうよ)とは,暦年(1月から12月の1年間)ごとに設定されている非課税枠を利用する贈与のことをいいます。

贈与税の非課税枠は,1年間で110万円です。

また,この非課税枠は,もらう人ごとで110万円です。

つまり池袋さんは,毎年,奥さんへ110万円,お兄さんに110万円,甥っ子に110万円というように,贈与する相手の人数×110万円ずつ,無課税で財産を減らすことができます。

一点,大きな注意があります。

死亡前3年間に相続人,受遺者(=遺言で財産をもらう人,たとえば甥っ子とか)へ贈与した金額については,みなし相続財産として,相続財産の計算額に含まれます

たとえば,池袋さんが5年間分,550万円奥さんへ毎年贈与して,2000万円を残して死亡した場合,

330万円分については,みなし相続財産として,相続税の計算額に含まれますので,

2330万円が相続財産として,課税の対象になります。


暦年贈与が特に効力を発生するのは,孫,ひ孫などへの贈与です。

本来孫へ相続させるには,親から子,子から孫,というように,2回相続税の対象となりますが,

暦年贈与を使って,一気に孫へ贈与すると,まったく相続税・贈与税の対象にならないのです(孫に相続させない場合)。


暦年贈与のポイントとしては,1年間で110万円までしか非課税で贈与できない点と,

死亡前3年間の贈与は相続税の対象とされてしまう点です。

元気なうちから計画的に,暦年贈与を利用して,相続財産を減らしていきましょう。


2018年6月25日月曜日

誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談2

前回のRevew 「誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談


今回も引き続き,相続に関する相談です。

CASE5 相続を考え出した池袋さんの場合2


今現在70歳で,仕事は引退済み。同い年の奥さんと結婚していて,お子さんはいないという,池袋さん。

池袋さんには,年に数回交流のあるお兄さんと,全く交流のない妹さんがいます。

現時点での財産は,約1億円。

可能な範囲で節税したいとのこと。



相続税は,基礎控除を超えた分についてのみかかります

基礎控除の金額は, 3000万円 + 600万円×法定相続人の数 です。

池袋さんの場合,法定相続人は3人(奥さん,お兄さん,妹)ですので,4800万円が基礎控除額となります。

つまり,遺産総額が1億円の場合,5200万円の部分についてのみ,相続税がかかることになります。

相続税の税率は,以下のとおりです(国税庁HPより引用)

法定相続分に応ずる取得金額 税率   控除額
1,000万円以下      10%         -
3,000万円以下      15%         50万円
5,000万円以下      20%         200万円
1億円以下          30%         700万円
2億円以下          40%  1,700万円
3億円以下          45%   2,700万円
6億円以下          50%     4,200万円
6億円超          55%     7,200万円

池袋さんの場合,5200万円に税金がかかるので,

5200万円×30% ー 700万円 = 860万円 だ!

と考える方が多いのですが,間違いです。


各相続人に法定相続分で割り付けて,それぞれの税額を計算して,それを合計します。

奥さんの相続分は4分の3ですので,

3900万円×20% - 200万円 = 580万円

ご兄弟の像続分はそれぞれ8分の1ですので,

650万円×10% = 65万円


合計710万円が,池袋さんの相続にかかる相続税の総額になります。


この710万円を,それぞれの相続人がもらった遺産の額に比例して,割り付けることになります。

たとえば,奥さんが4分の3,お兄さんが4分の1を相続したときは,奥さんが532.5万円,お兄さんが177.5万円,の相続税を支払います。

この場合,相続しなかった妹さんは,相続税を払う必要はありません。


少し話が長くなったので,節税については,次回ということで。



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2018年6月10日日曜日

誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談

前回のReview 「誌上FP相談 CASE4 保険貧乏市ヶ谷さんの相談


今回は,相続について考え出した,老夫婦のお話です。


人はいつか必ず死にます。


すなわち,相続が発生する可能性は100%です。


つまり,誰もが相続対策をしなければならない可能性があります。






CASE5 相続を考え出した池袋さんの場合


今現在70歳で,仕事は引退済み。同い年の奥さんと結婚していて,お子さんはいないという,池袋さん。


池袋さんには兄弟がいて,年に数回交流のあるお兄さんと,全く交流のない妹さんがいます。


池袋さんとしては,財産の大半は奥さんに残したいが,池袋さんが両親から受け継いだ実家(土地と建物)については,奥さんの死亡後,お兄さん家族に残したいとのこと。


ただ,交流の無い妹さんには,財産は残さないつもりとのこと。


現時点での財産は,預貯金が5000万円と,ご両親から引き継いだ家(土地と建物)程度。



まず,池袋さんが遺言を残さないで亡くなった場合,どうなるのかというと,


奥さんが財産の4分の3を相続,お兄さんと妹さんがそれぞれ8分の1を相続,ということになります。


そう,びっくりされる方が多いのですが,結婚していても,お子さん(お孫さんでも)がいない場合,財産の一部が,血族(親が存命であれば親,両親が他界していれば兄弟)に相続されるのが,民法上の決まりです。



なので,池袋さんのように,妹さんに残さないようにするには,遺言を書かなくてはなりません。


なお,兄弟には遺留分(遺言によっても侵害できない相続財産の一部をもらえる権利)はないので,妹さんに財産を全く残さない遺言を書いても,全く問題になりません。


池袋さんには,さっそく遺言を書くようにおすすめしました。



ただひとつ問題があって,相続では,財産を相続人の死亡後にさらに財産を譲り受ける人を指定すること(専門用語で「跡継ぎ遺贈」といいいます)はできません。


つまり,奥さんが死ぬまでは奥さんにあげ,奥さん死亡後は,お兄さんに実家を残す,ということは,遺言ではできません。


奥さんに実家を残した場合,奥さんの死亡後は,奥さんのご兄弟に財産がすべて行ってしまうのです。


これを防ぐためには,信託という制度を用いる必要があります。


信託を使うと,形式上信託会社へ所有権を移転させて,居住権を奥さんが存命中は奥さんにあげ,奥さんが死亡後,信託会社からお兄さんへ所有権を移転させることが可能です。


遺言や信託は,かなり専門的な計算・配慮が必要なので,必ず,FP,弁護士,税理士,信託会社へ相談して,遺言を書いて,信託を設定しましょう。


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2018年6月3日日曜日

誌上FP相談 CASE4 保険貧乏市ヶ谷さんの相談

前回のReview 「誌上FP相談 CASE3 独身貴族青山さんの相談


さて,今回の相談は,日本のサラリーマンには意外に多いと思われる保険貧乏さんについてです。



CASE4 保険貧乏市ヶ谷さんの場合


結婚していて,子どもも1人(1歳)いる市ヶ谷さん。


中堅メーカーに10年お勤めで,32歳。


奥さんは育児休暇から復帰したばかり。


毎月の手取りは,夫23万円,妻19万円。



手取りが42万円もあるのに,なかなか貯金ができず,夢のマイホームを買うための頭金や,かわいい子どもの教育費がたまらないのが悩みとのこと。



月々の支出を見せていただいたら,貯金ができない原因がわかりました。



貯金できない原因,それは保険の入りすぎです。



生命保険は,夫が月2万円の日系大手生保の定期保険特約付終身保険に加入。

妻は,外資系生保の保険に入っており,中身はよくわかってないけど,月2万円の保険料。

さらに夫は,かけすてのがん保険にも月2000円支払っています。


夫婦合計で,毎月4万2000円も保険料を払っている計算になります。


すなわち,手取り収入の1割もの大金を,保険に突っ込んでいる計算になります。



そりゃー,貯金できないですよ。。。


貯金の目安・目標は,手取りの少なくとも10%は超えたい,20%できたら理想的,という感じです。


しかし,市ヶ谷さんの場合,手取りの10%以上も保険に加入しているので,貯金に回す余裕が全くないのです。


確かに,夫婦共働きであるため,月42万円もの手取収入があるのに,なかなか貯金できないのです。

私は,以下のアドバイスをさせていただきました。


1 生命保険は,かけすてが一番

生命保険とは,残された家族の生活保障です。

「保険で貯蓄」なんてのは嘘っぱちです。

保険で貯蓄なんかしても,保険会社に手数料分さっぴかれるだけです。

かけすての安い保険に入って,浮いた保険料で,毎月積立貯金しましょう。

たとえば,ネット生保であれば,死亡時の保険金が2000万円の掛け捨て保険は,月々の保険料は約2000円です(30代前半の場合)。

つまり,市ヶ谷夫妻の場合,月4万5000円も払っていた保険料が,月4000円に,つまり10分の1になるのです。


余った4万円を,毎月貯金等に回しましょう。




2 がん保険は不要


「日本人の2人に1人はがんになる」

というセールスマンのキャッチコピーに騙されて,がん保険に入ってしまう方が続出しています。


しかし,がんにかかるのはたいていが高齢者です。


男性の場合,60歳までにがんにかかる確率は,約6%程度です。


つまり,若い人にはがん保険は不要なのです。


しかも,がんにかかったとしても,日本には健康保険制度があるため,月々かかる金額は決まっていますので,がん保険にはいっていないと困るということはほとんどありません。


月2000円,年2万4000円もがん保険に払うくらいなら,貯金しておきましょう。





結論

保険料は,月1万円以下(独身なら5000円以下)にしましょう。

浮いたお金で,貯金しましょう。


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2018年5月7日月曜日

誌上FP相談 CASE3 独身貴族青山さんの相談

前回のReview 「誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談3


さて,今回の相談者は独身貴族さんです。


CASE3 独身貴族青山さんの場合


独身貴族の青山さん。

大手損害保険会社に20年お勤めで,42歳。

気がるな独身生活が楽しく,結婚の意思はないとのこと。

全国転勤なので,家は購入せず,賃貸暮らしをしてきた。

現在の年収は1100万円もある高級取りなのに,この20年でためた貯金はわずか400万円。


特に株式投資などはやっていない。


社会人3年目に,生保レディの営業を受けたのをきっかけに,生命保険(終身保険。保険料月2万円)。


一人なので,老後資金を用意しなきゃいけない,何か金融商品に投資しなくては,と意識しだして,不安になって相談にやってきました。






相談内容


1 貯金がなかなかできないがどうしたら良いか


2 一人暮らしがずっと続くことになるが,家は購入した方が良いか


3 老後資金をためるために,何の投資を始めればいいいのか


順番に相談に回答していきましょう。


1 貯金がなかなかできないがどうしたら良いか 

年収が1000万を超え,一人暮らしにも関わらず,貯金が400万しかないのは,明らかに貯金不足です。


新社会人三田くんの相談でも言いましたが,天引き貯金をしましょう。


青山さんの収入(手取りが月約50万円)からしたら,毎月10万円は天引き貯金できるはずです。


すぐに銀行に行って,毎月給与口座から自動的に10万円定期預金に振り替える設定を行いましょう


2 一人暮らしがずっと続くことになるが,家は購入した方が良いか


全国転勤の多かった青山さんでしたが,

さすがに就職から20年以上たってきたので,転居を伴う異動は今後はなさそうとのことです。


テレビで独居老人の特集を見て,「大家がは老人に家を貸したがらない」ということを知って,不安に思ったこともあり,ワンルームマンションを購入しようか迷っているとのことです。




結論から言いますが,現状でマンションを購入することはおすすめできません。


まず頭金用の資金が不足していますし,なけなしの400万円を使ってしまうと,もしもの出費に耐えられず,家計に余裕がなくなってしまいます。


老後に家を借りられなくなる不安はわかりますが,少なくとも5年間でたくさん貯金して頭金を用意できてから,マンション購入は検討しましょう。


なお,今現在でも首都圏では空きアパートが多くなってきていますし,今後もその流れが続くでしょうから,将来は大家さんも「独居老人に家を貸したくない」なんて言えなくなってくると思います



3 老後資金をためるために,何の投資を始めればいいいのか


まず,生命保険は,せっかくこれまで積み立ててきたので,解約せずに,保険料を支払いつづけましょう。

私は,独身者であれば月5000円以上の生命保険は不要だといつもアドバイスしてますが,年収の多い青山さんであれば,支払い余力があるので生命保険に入ったままでも,問題ありません

また,今解約すると,払いこんだ保険料の6割程度の返戻金しかもらえないので,損してしまいますので。


高年収の青山さんであれば,厚生年金も将来月18万円程度もらえそうですし,退職金も2000万円程度もらえそうとのこと。


つまり,質素な暮らしができるのなら,過度に老後資金を気にする必要はありません。


ただ,青山さんはこれまで年平均20万円程度しか貯金できていないことを考えると,豪華な暮らしをしていると言え,現役のときと同じ感覚で老後も生活すると,すぐに預金が底をついてしまいます。


天引き貯金のためにも,老後の生活の安定のためにも,毎月の出費を抑えましょう。

老後の心配をして投資を始めるのは,それからでも遅くありません。


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2018年4月29日日曜日

誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談3

前回のReview 「誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談2

さて,新婚夫婦のFP相談も,今日で三回目,最終回です。

夫婦の状況

年齢はご主人が31歳,奥さんが30歳。


ご主人はメーカー,奥さんはアパレル関係の会社の正社員。


年収(税込)は,ご主人が400万円,奥さんが300万円。


将来子どもは1人か2人くらい欲しいと思っているとのこと。


車は中古の日本車を所有している。





相談内容

1 子どもができたら,奥さんは子どもが小さいうちは子育てに専念するため,退職したいとの意向だが,それでもやっていけるのか


2 マンションを買おうと思っているが,いくらくらいまでならローン組んでいいのか


3 収入のうち,いくらをどのような投資に回せばいいのか


4 各種保険に入った方がいいのか




前回までに,相談内容の1から3について回答したので,今回は4について回答します。


4 各種保険に入った方がいいのか


4-1 生命保険


結婚すると,生命保険に入ろうか,という検討をする方が多いと思います。


確かに,自分が死んだ後,残された家族が露頭に迷うなんてことはあってはならないでしょう。


ただ,あまりよく考えず,生命保険会社のセールスマン,セールスレディの言うままに生命保険に入ってしまうと,過剰な保険料を支払う結果になること間違いありません。


まずは,事情ごとに,いくらくらい残す必要があるかを考えてみましょう。


A 子どもの有無

子どものいない家庭では,奥さんが専業主婦でない限り,生命保険は不要でしょう。

なので,四ツ谷夫妻の場合,とりあえず子どもが生まれてから,入るようにしましょう。

配偶者が専業主婦の場合,旦那が会社員で厚生年金に入っているのか,自営業で国民年金に入っているのかで,必要額が変わってきます。

厚生年金に加入している方が死亡した場合,遺族厚生年金がもらえるので,遺族の生活は問題ないと言っても過言ではありません。

一方,国民年金の場合,そもそも子どもがいない配偶者には,遺族基礎年金が出ないので,生活費が全く入ってこなくなってしまうのです。


B 配偶者が専業主婦か

繰り返しとなりますが,やはり専業主婦でないなら,原則生命保険は不要かと思います。

先の相談で,奥さんに仕事を辞めさせてはならない,と説明しましたが,生命保険料の節約の点からも,仕事を辞めさせてはならないのです。

C 住宅ローンを組んでいるか

住宅ローンを組んでいる場合,団体信用保険と言って,死亡した場合には残りの住宅ローンを払わなくてOKになる保険に入らされるのが通常です。

つまり万が一のとき,ローン残金を支払わずに家が手に入ることになるので,ローン残高分の生命保険に入っている状態と同じ効果があります。

先の相談で,家を買うことについてアドバイスしましたが,家を購入した後は,生命保険の保険金額を低くすることで保険料を節約することをおすすめします。



4-2 損害保険

四ツ谷夫妻は車を持っているとのことですが,自動車の任意保険には,必ず入りましょう

自賠責保険は,人をケガ・死亡させてしまったときに保険金がおりますが,自賠責だけでは金額が不十分なことが多いです。

さらに,物損に対する賠償については,自賠責ではカバーされないので,ベンツにぶつけてしまったときなど,自賠責しか入ってないと,大変なことになります



4-3 医療保険

家庭の状況にかぎらず,医療保険やがん保険は基本的に不要です。

日本は国民皆保険で,健康保険で一定の高額を超えた金額については,すべてカバーされます。

なので,任意の医療保険が必要不可欠というケースは,まずありません。

医療保険に入るくらいなら,保険料と同じ金額を毎月貯金した方がお得です。

三回にわたった四ツ谷夫妻の相談もこれで終了です。

いろいろ大事なアドバイスをしましたが,やはり一番大事なのは,夫婦共働きを続けることかと思います。


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2018年4月21日土曜日

誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談2

前回のReview 「誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談1


前回に引き続き,新婚の四ツ谷さん夫婦の相談にお答えします。

夫婦の状況

年齢はご主人が31歳,奥さんが30歳。

ご主人はメーカー,奥さんはアパレル関係の会社の正社員。

年収(税込)は,ご主人が400万円,奥さんが300万円。

将来子どもは1人か2人くらい欲しいと思っているとのこと





相談内容

1 子どもができたら,奥さんは子どもが小さいうちは子育てに専念するため,退職したいとの意向だが,それでもやっていけるのか

2 マンションを買おうと思っているが,いくらくらいまでならローン組んでいいのか

3 収入のうち,いくらをどのような投資に回せばいいのか

4 各種保険に入った方がいいのか


前回,相談内容の1と2について回答したので,今回は3について回答します。

3 収入のうち,いくらをどのような投資に回せばいいのか

まず,投資を始める前に,急な出費のための保険として,

約3か月~半年分の生活費を普通預金か定期預金に入れておく必要があります。

四ツ谷さん夫婦の通常の月々の生活費が約25万円ということであれば,約100万円を,預金に回しましょう。

この100万円以外を,投資対象の資金とします。

FPの世界ではよく知られていることですが,

平均年収のある夫婦共働きの家庭が,手取り収入の15%を常に投資・貯金に回していれば,誰だってお金持ちになれるのです。

これを目途に,投資資金を考えていきましょう。


四ツ谷さん夫妻の場合,手取りだと,夫が年320万円,妻が年250万円程度です。

この15%だと,570万×15%= 85万5000円 が,年間の投資資金目標になります。

ボーナスのない方であれば,毎月7万円程度,

ボーナスが年2回のかたであれば,毎月5万5000円程度,ボーナス月に10万円程度,

を投資資金に回しましょう。


ただ,この手取り15%投資,結構きついです。

独身や子どものいない家庭でしたら,可能ですが,

親の介護費用や子どもの教育費用がかかる家庭だと,手取りの15%を貯蓄するのは,困難です。

したがって,新婚の四ツ谷さん夫妻の場合,子どものいない今が貯め時ですから,現状は手取り20%,年間114万円の貯蓄を目標にしましょう

そして,その114万円のうち,30代の四ツ谷さん夫婦の場合

30%は,元本保証のある金融商品(定期預金か個人向け国債)

70%は,投資信託や株式で積極的な運用をしましょう。

巷でよく言われていますが,

20代なら,20%を元本保証商品に,

50代なら,50%を元本保証商品に,

投資するのが,いいと言われています。


なぜなら,

若い間は,投資で失敗しても賃金収入でたくさん稼げるので,リスクを大きく取ってかまいませんが,

退職者のように,賃金収入が無い人と,リスクを大きくとってはいけないからです。

まだ30代の四ツ谷さん夫妻であれば,積極的にリスクをとっていきましょう。

なお,積極的な運用に回す資金は,NISAiDeCo(確定拠出年金)のような節税メリットがあるものから投資していきましょう。


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2018年4月14日土曜日

誌上FP相談 CASE2 新婚四ツ谷夫婦の相談1

前回のReview 「誌上FP相談 CASE1 新社会人三田くんの相談


今回の相談は,若手新婚夫婦からのご相談です。

CASE2  新婚四ツ谷夫婦の場合




おめでたい新婚さんカップルの四ツ谷さん夫妻。

年齢はご主人が31歳,奥さんが30歳。

ご主人はメーカー,奥さんはアパレル関係の会社の正社員。

年収(税込)は,ご主人が400万円,奥さんが300万円。


将来子どもは1人か2人くらい欲しいと思っているとのこと


相談内容

1 子どもができたら,奥さんは子どもが小さいうちは子育てに専念するため,退職したいとの意向だが,それでもやっていけるのか


2 マンションを買おうと思っているが,いくらくらいまでならローン組んでいいのか


3 収入のうち,いくらをどのような投資に回せばいいのか


4 各種保険に入った方がいいのか



以下,順番に,説明していきましょう。


1 奥さんお仕事について


結論から言いますが,

「子どもができても,奥さんは絶対に仕事を辞めてはいけません」


確かに,認可保育園に子どもを思う通りに入れられないので,認可外保育園に入れると,奥さんの収入と同じくらい出費かかってて,仕事するメリットがないとも思えます。

また,保育園の時間外にシッターなど頼むと,むしろ赤字なんじゃないか,という気すらしてくるかもしれません。


しかし,新卒一括採用が基本の日本社会では,一度退職して仕事にブランクがあると,正社員への復帰は極めて困難です。


また,産休・育休についてですが,健康保険制度もあり,育休期間中,仕事しないのにお金がもらえるのです。


もちろん,育休とってから職場復帰すると,気まずかったり,子どもの体調変化(子どもはすぐに熱出しますしね,,,)で,早退を繰り返したりして,周りに迷惑かけるのではないか,と気に病むかもしれません。


しかし,そのような心労を加味したとしても,一度正社員を辞めるか辞めないかで,生涯年収が大きく異なってきます。


内閣府の調査で,正社員と非正規社員では時給換算で時給が倍の違いがあるとされてます。


サラリーマンの生涯年収が約2億円だとすると,

ずっと正社員でいるか,出産を機に一度退職して非正規雇用になるかで,約8000万円ほど生涯年収が違ってくることになります。


つまり,2つマンション買えるか買えないかくらいの差があるのです。


なので,どんなことがあっても,絶対に奥さんは会社を辞めてはいけません。


もちろん,旦那さんが年収1000万円超えの超大企業に勤めているなどのケースであれば,話は別かもしれませんが,四ツ谷さんのように31歳で年収400万円程度の会社勤めでは,奥さんの退職はNGです。


2 組んでよい住宅ローン金額について

一般的には,

住宅ローンの金額は年収(税込)の5倍以内にしなくてはならない

と言われています。


四ツ谷夫妻は,夫婦合計で年収(税込)が700万円なので,3500万円までなら,ローンを組んでいいかと思います。


もっとも,住宅については,頭金は必ず2割以上用意しましょう。


最近は低金利ということもあり,頭金が1割なくてもマンションを買ってしまう方が続出してますが,これには問題があります。


頭金の意義は,第一には,ローン金額,ローン弁済金額の縮小です。


この意義のみからすれば,低金利であれば,頭金は少なくてもいいのです。


しかし,頭金にはもう一つ意義があります。


もう一つの意義は,「頭金とは,これまでに頭金相当の金額を貯金できた証」という点です。


つまり,2割の頭金すらためられないような人は,近い将来に資金がショートしてしまうリスクが高い人,ということです。


しっかり,購入価格の2割の頭金を用意して,年収の5倍以内のローンを組みましょう


四ツ谷さんの場合,


頭金の貯金が900万あれば,3500万円のローンを組むことができ,4400万円のマンションを購入することが,できるという計算になります。


もっとも,これは上限であって,若干返済に困る可能性が出てきます。

なぜなら,子どもの出産・育児によって奥さんの収入が減少しますので,ローンの返済に困る可能性があるからです。

よって,年収は少し低めの600万円くらいで計算すべきです。


したがいまして,FPの私からのアドバイスとしては,


頭金が今現在500万円ということですから,まずこれを800万円にまで増やします。

その後,その頭金を使って,3800万円以下のマンションを購入することを,おすすめします。

残りのご相談については,次回ご回答いたします。


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2018年4月6日金曜日

誌上FP相談 CASE1 新社会人三田くんの相談

今回は,普段我々FP(ファイナンシャルプランナー)が行っている相談(無料のときもありますが,通常有料です)のロールプレイングを,ブログ上でやってみようと思います。


今のあなたの状況に合っていてもいなくても,ご自身の金融知識向上のため,お役に立てていただければ幸いです。

要は,受験で言えば模擬試験,部活で言えば練習試合のような感覚で,読んでいただけますでしょうか。




CASE1  新社会人 三田くんの場合


新社会人の三田くん(22歳)は,大学卒業後,大手メーカーの営業職に就きました。


データはざっくりこんな感じです。


資産  10万円(学生時代のアルバイト代)

負債  約300万円(奨学金)

月収(手取り)  20万円

配偶者  なし

住居   会社の寮


1 目標

資産形成を考えるうえで,まず大事なのが,目標の設定です

ただなんとなく資産形成しようとしても,なんとなくお金が貯まらない日々が続くだけです。

なので,当面の資産形成目標(できれば1年間の短期目標と,5年間の中期目標)をたてましょう。


まず,新社会人なので当たり前ですが,資産はほとんどありません。

一方で,学生時代に借りていた奨学金が300万円残っています。

そんな三田くんの中期の目標ですが,

① 奨学金の完済

② 手取り給与半年分の120万円の貯金


の2つでいいかと思います。


まずは,何より,奨学金,すなわち借金返済です。

借金は利息がつきますし,あなたの投資成果を確実にマイナスにします。

したがって,何よりもまず,借金を完済しましょう。
(もちろん,無理のない範囲で)

また,給与半年分については,いざというときに必要な資金として,ためておいた方がいい金額です。


2 手段と短期目標

では,どうやってためましょうか?

毎月残った金額を定期預金に回す,なんて方法では絶対に貯まりません

貯まる仕組みをつくることが,大切です。

この貯まる仕組みをつくること,これこそが新社会人三田くんの資産形成に,最も大事なことです。

まずは,給与から,毎月2万5000円程度,天引きで貯金しましょう

会社の寮に住んでいるのなら,住居費がほとんどかからないため,奨学金の返済があっても,月2万5000円であれば,必ずためられるはずです。

銀行の窓口に行けば,毎月自動で天引き定期預金の設定をしてくれます。

初任給が入ったら,まずは銀行に行って,天引きの設定をしましょう!
(もちろん,感謝の印に,親御さんに何か買ってあげましょう)

また,夏のボーナスから3万円,冬のボーナスから17万円,定期預金に回しましょう。

すると,1年間で,合計50万円が貯まる計算になります。

2年間続ければ100万円となり,目標の120万円はもうすぐです。

この生活を続けていけば,奨学金完済,120万円の貯金は楽勝で達成できると思います。

新社会人の時期に,資産形成できる基礎体力をつくっておきましょう!


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