2016年12月31日土曜日

第2章 節税3ー4 確定拠出年金の投資商品のベスト割合2

前回のReview 「第2章 節税3ー3 確定拠出年金の投資商品のベスト割合1

前回,確定拠出年金の掛け金のうち,元本保証商品への投資割合について書きました。

今回は,残りの掛け金の配分について考えましょう。


■1 インデックス型投資信託へ投資しよう

まず,「第4章 投資各論3 投資信託」でもお伝えしましたが,アクティブ投信はやめましょう

投資の成績はほぼイーブンなのに,手数料が高いので,インデックス投信には勝てない確率が高いことが明らかです。


■2 リスクとは

インデックス投信に投資するとして,問題は,そのリスクです。

日本では,勘違いされている方が多いのですが,リスクとは,投資額が元本を下回る危険性という意味ではありません。

リスクとは,平均からの分離の度合いです。

つまり,リスクが高い商品とは,値上がりも値下がりもする確率と幅が大きく,リスクの低い商品とは,その確率と幅が小さいということです。

したがって,いわゆるハイリスク・ハイリターン,ローリスク・ローリターンということです(当たり前ですね)。

なお,債権・株式や,国内・海外という組み合わせをすることで投資対象を分散できるので,ある程度リスクある商品へ投資することも平気となります。

ここで大事なことを(長くなるので結論だけ)お伝えしますが,

商品の組み合わせによって,リスクをコントロールすることは,ある程度可能です。

一方,商品をどう組み合わせても,リターンをコントールすることは,かなり困難なのです。


■3 各商品のリスクの大きさ

また,リスクの大きさとしては,国内よりも海外資産の方がリスクが大きい。

債券よりも株式の方がリスクが大きい。

海外資産のうち,新興国の方が,先進国よりリスクが大きい。

という傾向があります。

また,株式はインフレに強く,債券はデフレに強い,という特徴もあります。

次回,これまでの講義をまとめて,投資割合の例示をしたいと思います。


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2016年12月30日金曜日

第2章 節税3ー3 確定拠出年金の投資商品のベスト割合1

前回のReview 「第2章 節税3-2 確定拠出年金の掛け金はいくらがベスト?

前回までに,確定拠出年金の概要,掛け金の決め方について書いてきました。

今回は,確定拠出年金の掛け金を何に投資するのかについて,書きたいと思います。



■1 投資対象

投資対象は,主に以下の8パターンです。

1 銀行預金(元本保証)

2 保険(元本保証)

3 国内債券投資信託

4 海外債券投資信託

5 国内株式投資信託

6 海外株式投資信託

7 国内REIT投資信託

8 海外REIT投資信託

■2 元本保証商品への投資割合

まず,元本保証の資産に割り振る率を決めましょう。

確定拠出年金は,その運用利益が非課税となる点に大きなメリットがあります。

とすると,ほとんど運用収益が発生しない元本保証の投資では,確定拠出年金のメリットがあまりありません。(所得控除の節税メリットのみとなってしまいます。)

さらに,国内債券投資信託のように値段が大崩れしにくいものが,元本保証商品以外にもたくさんあります。

投資信託は,個別株式とは異なり,幅広く投資するため,いきなり価値がゼロになったりはしません。

また,確定拠出年金は60歳まで引き出せず,長期間の運用しかできません

あなたが60歳になるときまでに,大きなインフレが起きてしまう場合,元本保証商品だと,実質的な価値が下がってしまいます。

一方,元本保証でない株式等の投資信託であっても,長期間購入・保有し続ければ,大きな値崩れの可能性は低いです。

従いまして,基本的には元本保証の商品の割合はゼロでOKです。

もっとも,50代の方であれば,元本保証で運用したい気もあるでしょうし,受取までの年数も長くはないので,元本保証の商品を入れてもいいでしょう。

なお,元本保証商品の場合,投資信託と異なって手数料がかからないというメリットは一応あります。

従いまして,元本保証商品への掛け金の配分割合の目安,40代までの方は0%,50代の方は30%,くらいのイメージで良いかと思います。

なお,元本保証には預金と保険がありますが,

投資商品の組み換えなどをする場合,預金の方が便利です。

保険の方が,若干利率が高いですが,このゼロ金利の昨今では,どんぐりの背比べなので,保険に投資はしなくていいかと思います。

次回は,投資信託へ投資する,掛け金の配分について説明したいと思います。

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2016年12月29日木曜日

第2章 節税3-2 確定拠出年金の掛け金はいくらがベスト?

前回のReview 「第2章 節税3-1 確定拠出年金は絶対お得!

さて,前回概略をお伝えした,節税最大のポイントである確定拠出年金ですが,

前回でどこに口座を開けばいいかまで書いたので,

今回から,確定拠出年金について,具体的な投資計画をお伝えします。

この計画に基づき,損しないよう,最大限のリターンを目指しましょう!


まず,もっとも大事で皆さんも気にすることだと思いますが,いったい毎月いくらの掛け金にするか,つまりどれだけ投資するのがベストなのでしょうか?

確定拠出年金の掛け金には,上限額があります。

上限額を超えて掛け金を出すことはできなのです。

上限額は,
個人型確定拠出年金(勤め先に確定拠出年金がない人)の場合,自営業者は,月6万8000円厚生年金加入者は,月2万3000円

企業型確定拠出年金(勤め先に確定拠出年金がある人)の場合,企業の拠出分(企業年金も合わせて)と合わせて,月5万5000円です。

掛け金は全額所得控除(つまり掛け金の分年収がなかったことを前提に所得税の計算が行われるということ)の対象になるので,

①節税,②手数料率の節約(確定拠出年金口座を作るのに,一定の手数料がかかります。この手数料は固定額なので,投資額が多い方が手数料率は低くくなる)の点から,可能な限り限度額いっぱいまで掛け金をかけましょう。

もっとも,前回,確定拠出年金の注意点として指摘しましたが,確定拠出年金は60歳まで引き出せないので,余裕資金の範囲内で掛け金を決める必要があります。

毎月限度額いっぱい掛け金をかけてしまいお金が足りなくなり,クレジットカードのリボ払いなんて使ってしまったら,元も子もありません。

また,NISAや国債など,他の投資への資金も分けておく必要があります。

よって,いざというときの資金として,預貯金が100万円以上あり,確定拠出年金への掛け金を除いても他の投資への資金がある方は,限度額いっぱいを,掛け金としましょう。

一方,資金に余裕のない方は,月1万円程度から,無理せず,掛け金を出していきましょう。


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2016年12月24日土曜日

第4章 投資各論8 REIT

前回のReview 「第4章 投資各論7 個人向け社債


さて,今回は,REITを取り上げたいと思います。


REITとは,

Real Estate Investment Trust の略で,不動産投資信託,という意味です。


つまり,REITとは,投資信託の一種です。

そして,その投資の対象が,不動産というわけです。





株式と同じように上場していて,株式と同じように簡単に変えるREITを,

J-REIT

と呼んでいます。


通常,単にREITと言えば,この J-REIT を指します。




REITのいいところは,


法律上の一定の要件を満たしていることで,


投資法人(REIT)にかかる税金が免除され,


利益のほぼすべてが,配当に回されるということです。


不動産会社の株を買った場合,利益に対して法人税が課された後に配当がされますが,


REITの場合は,税金が課される前に配当がなされるというメリットがあります。



また,不動産投資は,したくても単価が高すぎて中々できないところ,


REITのように投資単位が細分化されていれば,少額から不動産投資が可能となります。



加えて,ひとつの不動産ではなく,複数の不動産に投資できるので,

バランスを保てるというメリットもあります。



以前,「コラム5 不動産投資はすべきか」で不動産投資は,
借入金でレバレッジをかけるのでリスクが大きすぎるので,
負けない投資工学にふさわしくない旨書きましたが,

レバレッジをかけずに不動産へ投資をしてみたい方に,REITはおすすめです。



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2016年12月23日金曜日

第4章 投資各論7 個人向け社債

前回のReview 「第4章 投資各論6 金・プラチナ地金


さて,今回は,以前はあまり見向きされて来なかった,個人向けの社債を取り上げます。

社債は,いわゆる借金なので,

株式と違って値段が下がることがないので,

預金と同じような感覚をもっている投資家から人気があります。


特に最近,銀行預金の金利がほぼ0なので,

よい利回りの投資商品を求める投資家から,

人気があります。


たとえば,ソフトバンクなどは,個人向けの社債を発行しており,,大変人気があります。






社債は,


預金より利回りが良くて,


元本を下回らないので,


安心,


と思って買っている方が多いのですが,



はっきり言って,全然おすすめできません。


その理由は以下の3つです。


1 元本を下回らないとは言っても,その会社が倒産したら,パーになる。


2 利回りは,銀行預金に比べれば格段にいいが,株式の配当利回りほど高くもない。


3 個人向けとはいえ投資単価が高いことが多く,バランスを欠く投資になりやすい。



つまり,株式と違って,安心というイメージのある社債ですが,


1については,株式と同じ


2については,株式以下であることが多い


3については,株式の方が投資単価が安くすむので,バランス投資しやすい


という結果となっており,株式買った方がいいのではないか,という話になっています。



株式と比べると債権である社債の方が安定している気がしますが,


実質を見ると,株式と変わらないか,株式の方がいいのではないか,という感じがしませんか?



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2016年12月18日日曜日

第4章 投資各論2-4 株主優待に騙されない!

前回のReview 「第4章 投資各論2 株式 その3

さて,前回までの株式の説明において,

株の三原則などの基本を説明してきました。

復習までに,株の三原則とは,

その1 長期保有する

その2 PBRが1倍以下の株を買う

その3 配当利回りが2.0%以上の株を買う

です。


この株の三原則を裏から申せば,

これら以外のものに目を奪われてはならない,ということです。



今回は,我々サラリーマン投資家が目を奪われがちな,株主優待つきの株式を見てみましょう。

たとえば,

日本マクドナルドホールディングス 【2702】

この株式には,みんな大好きマックの無料券が付いてきます。

中身としては,1年間に,セット12個分です。

1セット500円とすると,年間で6000円分のチケットがもらえる計算になります。

だからか,株価は非常に高めです

株価 3175円 (執筆時2016年12月18日時点)

PBR 3.91倍

PER 111倍

配当利回り 0.94%

これらをみてわかるかと思いますが,相当割高です。

株の三原則のうち,2と3を全く満たしていません。

配当が1株当たり30円で,100株あたり3000円です。


そして,株主優待チケットを合わせると,実質9000円で,実質利回り3%とも考えることができます。

この実質価格を見て,株主優待ありの株が人気となっていますし,

株の情報誌などでは,「実質利回りが高い株!」などといった特集が組まれるので,さらに人気が出たりします。

でも,

ちょっと

まってください。

優待ありの実質利回りでも,3%です。そして,利回り3%の株はたくさんあります。

そして,株主優待は,いつでも会社は廃止できるのです。

実際,株主優待が廃止,改悪された企業はたくさんあります。

また,株主優待が良い企業は,業績が悪いにも関わらず,株価が高い会社が多かったりします。

実際,つぶれる前のJALは,ずっと経営が赤字だったのに,株主優待のおかげで株価が高めでした。

株主優待に目を奪われて株を買うと,ろくなことになりません。

株主優待に騙されず,きちんと価格を観察して,割安な株式を買いましょう!

Next 「第4章 投資各論2-5 企業の価値っていったい何?株価?


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2016年12月16日金曜日

具体的行動プラン その4 株式銘柄の見方

前回のReview 「具体的行動プラン その3 たまったお金で株を買おう



今回は,株式を個別に取り上げてみます。


具体的な演習をしながら,株の売り買いのポイントをつかんでいただければと思います。


数学の計算ドリルみたいなもんだと思ってください。


みなさん誰もが知っていて,なるべくつぶれないと思われる,銀行株から行きましょうか。





三菱UFJ・フィナンシャル・グループ  【8306】


【】の4桁の数字は,銘柄コード(証券コード)といいまして,

国内に上場する株式や,ETF,REITに割り当てられた,番号です。

この番号は,会社四季報や業界地図でも乗っており,

簡単に株の購入をするのに,少し役立ちます。

(もっとも,検索が簡単にできる現代となっては,あまりメリットない気もしますが,,,)


さて,この株式は,


1 株価  768.1円(執筆時:2016年12月16日終わり値)

2 売買単位 100株

3 PBR  0.69倍

4 PER  12.2倍

5 配当利回り  2.34%

6 年初来最高値  773.3円

7 年初来最低値  425.8円


となっています。

大体この7項目と,


直近2年,5年,7年,10年の株価の変動,


ここ数年の営業利益,当期純利益などの経営成績を見て,


割安か否かを判断し,購入・売却を決めています。


第4章 投資各論2 株式」以下でも書きましたが,


PBRが1倍以下,配当利回りが2%以上の株は,


割安であり,配当収入も見込めるので,良い株と言えます。


もっとも,この10年来の最安値は,318円ですので,下落の見込みも当然あります。


この株は,PBRが0.69倍,配当利回りが2.34%なので,上記の定義に当てはめれば,


良い株と言えるでしょう。


また,PERは15倍を切っており,割高感はありません。


そして,ここ数年,安定して巨額の利益を出しています。


全体的に見れば,いい方の株式銘柄と言えるのかもしれません。


なお,このブログは,個別の株式銘柄の購入をすすめるものではなく,


みなさんに株式の見方を身につけてほしく,書いているものです。


当然ですが,投資は自己責任でお願いいたします。





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2016年12月3日土曜日

第7章 不動産2 不動産投資はすべきか

前回のReview 「第7章 不動産 住宅ローンは変動にすべきか,固定にすべきか


さて,今回は,最近テレビCMもやるようになった,

不動産投資について,取り上げたいと思います。


不動産投資とは,主にアパートないしマンションの部屋を購入し,

それを賃貸に回すことで,

家賃収入を得ることをいいます。


最近,こんなことを耳にしませんか?





「相続税対策のために不動産投資をしよう」


「マイナス金利の時代,年5%以上の利回りの不動産投資をしよう」


これらに踊らされて不動産投資をすると,

絶対に後悔するので,やめてください。


私は何も,不動産投資のすべてを否定しているわけではありません。


ただ,近年,相続税対策等をあおって,

素人を煽って,もうからないアパートを建てさせる,


銀行(住宅ローンで儲ける),


ゼネコン(建設費でもうける),


不動産屋(管理料,手数料でもうける。)


が,許せないのです。


確かに,不動産の場合,評価額が低いので,

現金よりも相続税が低くなる傾向にあります。


もっとも,そもそも相続税がかかるのは,

相続財産が4200万円以上(相続人が2人の場合)です



さらに,生命保険を使えば,

相続人×500万円までは,相続税の対象になりません。


こういうことを熟知して,不動産投資をするなら,まだいいのですが,

およそ業者は,一般市民の無知に付け込んで,不動産投資をさせています。



また,昨今,相続税対策でアパートを建てたり,マンションを買ったりする人が多く,


不動産価格は高止まりしています。


この先,きっと下落する可能性が高いです。


また,不動産なんて,空き家になれば,税金や経費だけがかかる,


負債以外の何物でもありません


損しない,レバレッジをかけない,が原則の投資工学からすると,

不動産投資は,やってはいけないといえるでしょう。






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