2018年7月2日月曜日

誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談 節税1 暦年贈与

前回のReview 「誌上FP相談 CASE5 相続を考え出した池袋さんの相談2

今回も引き続き,相続に関する相談です。

CASE5 相続を考え出した池袋さんの場合2

今現在70歳で,仕事は引退済み。同い年の奥さんと結婚していて,お子さんはいないという,池袋さん。

池袋さんには,年に数回交流のあるお兄さんと,全く交流のない妹さんがいます。

現時点での財産は,約1億円。

可能な範囲で節税したいとのこと。

今回から,節税について説明します。



節税方法その1  暦年贈与

暦年贈与(れきねんぞうよ)とは,暦年(1月から12月の1年間)ごとに設定されている非課税枠を利用する贈与のことをいいます。

贈与税の非課税枠は,1年間で110万円です。

また,この非課税枠は,もらう人ごとで110万円です。

つまり池袋さんは,毎年,奥さんへ110万円,お兄さんに110万円,甥っ子に110万円というように,贈与する相手の人数×110万円ずつ,無課税で財産を減らすことができます。

一点,大きな注意があります。

死亡前3年間に相続人,受遺者(=遺言で財産をもらう人,たとえば甥っ子とか)へ贈与した金額については,みなし相続財産として,相続財産の計算額に含まれます

たとえば,池袋さんが5年間分,550万円奥さんへ毎年贈与して,2000万円を残して死亡した場合,

330万円分については,みなし相続財産として,相続税の計算額に含まれますので,

2330万円が相続財産として,課税の対象になります。


暦年贈与が特に効力を発生するのは,孫,ひ孫などへの贈与です。

本来孫へ相続させるには,親から子,子から孫,というように,2回相続税の対象となりますが,

暦年贈与を使って,一気に孫へ贈与すると,まったく相続税・贈与税の対象にならないのです(孫に相続させない場合)。


暦年贈与のポイントとしては,1年間で110万円までしか非課税で贈与できない点と,

死亡前3年間の贈与は相続税の対象とされてしまう点です。

元気なうちから計画的に,暦年贈与を利用して,相続財産を減らしていきましょう。


0 件のコメント:

コメントを投稿