今回の失敗シリーズは,退職金の運用に関してです。
このブログの読者さんは割と若手サラリーマンの方が多く,退職金の話はあまりリアル感がないかと思いますが,
皆さんの父兄のことのようにとらえて,読んでいただければ幸いです。
さて,最近,団塊の世代が退職するようになるにつれ,退職金運用がにわかに流行りだしました。
そのブームに乗ったのか,証券会社では「退職金で運用を始めよう!」とか言われますし,
雑誌の特集や書籍でも,退職金の運用に関する特集が熱いです。
そして,
最近街中でよく見かけるのが,
信託銀行のガラス戸越しに見えるボードに乗っている
「退職金の運用に関する相談にのります」
とか
「定期預金年利7%」
とかの,退職金運用に関する広告です。
「え,定期預金の利率が7%」
「めっちゃお得じゃん」とか思って,相談に行ってしまう方が多発しています。
もちろん,大手の信託銀行さまですから,怪しげな投資詐欺とかではありません笑
ただ,これには大きな裏があるのです。
よーく,広告を見てみると,
「※当初3か月間のみ」
と書いてあります。
つまり,年利7%ですが,7%なのは最初の3か月だけで,残りは通常通りほぼ0%の定期預金なのです。
ということは,3年間退職金から1000万円を預けたとすると,
最初の3か月で,17万5000円の利息がつきます(税引き前)
そして,残りの2年9か月は利息ほぼ0です。
こう考えると,3年間で利息が約1.8%ということになり,大した利回りでないことに気づきます。
ただ,
3か月とはいえ,年利7%の定期預金なんて,信託銀行側は赤字に決まっています。
だって,貸出の金利で7%なんて,このゼロ金利時代に不可能ですから。
(まあ,カ―ドローンくらいでしょうか)
その赤字を埋め合わせるため,
この退職金プランには,仕組みが隠されています。
それは,退職金の半分以上を,投資信託等にしなければならず,
この定期預金は半分以下にしなければならないのです。
この投資信託は,信託銀行が手数料をぼったくるためにあるといっても過言ではありません。
このような投資信託では,
信託銀行は販売手数料で1%,年間の手数料(投資信託の販売会社からキックバックされます)を0.5%とか,もらえるのです(この数字はあくまで仮定のもので,実際には投資信託や販売会社によって様々です)。
つまり,さきほどの退職金の1000万円を定期預金にした場合,
残りの1000万円は投資信託を買わなくてはならず,
この手数料だけで,銀行は,初年度に1.5%,つまり15万円,
残りの2年間で,1.0%,つまり10万円,もらえるわけです。
この25万円のうち,17.5万円を,定期預金の利息に回しているわけです。
めでたし,めでたし。
結論として,
あなたにとってお得な商品を,
行員の給与がバカ高い信託銀行さんが用意してくれるはずはありません。
高い利率には,必ず裏がある。
この失敗例の教訓です。
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