さて,相続税というものがいかなるものかをわかってもらった後ですが,
相続税の節税について,考えていきたいと思います。
もちろん,私個人としては,「死ぬときくらい世のため人のため」と思って,
相続財産の一部を日本国に残して欲しいなーって思います。
でも,もらう方から考えたら,払わなくていい相続税は,払いたくないですよね?
今日以降,相続税を節税する方法について,考えていきたいと思います。
1 生命保険
生命保険についは,所得税の節税になることは,すでに説明ずみであります。(第2章 節税5 生命保険参照)
もっとも,生命保険は,相続税対策においても,節税となるのです。
生命保険金は,そもそも,保険料の対価であって,民法の相続規定の影響を受けることなく受取人が決まるシステムなので,相続税の対象にならないかとも思いますが,
みなし相続財産として相続税の対象となるのです。
これは,相続財産として,預金5000万円をそのまま残した場合と,
その5000万円を掛け金にして生命保険をかけておいた場合で,相続税が異なることを防ぐ趣旨です。
こう考えると,生命保険をかけても,相続税が減らないと思うかもしれません。
しかし,生命保険は,生命保険会社のロビーイングの成果か(笑),相続税の非課税枠が設けられています。
生命保険の非課税枠は, 法定相続人 × 500万円 です。
つまり,法定相続人が,妻と子ども2人なら,
1500万円までは,生命保険金に,相続税がかからないのです。
また,生命保険は,受取人の口座に直接振り込まれるので,預貯金と異なり,相続人がなくなった後も,スムーズに資金の活用ができるのです。
(預金の名義人が亡くなると,銀行は簡単にはその預金を引き出させてくれません)
なので,相続税対策ということもあり,65歳を過ぎた方は,節税のみならず,スムーズな相続という観点からも,
法定相続人×500万円以下の金額の生命保険には,入っておくべきかと思います。
とりあえず,生命保険の節税と,もともとある非課税枠を使えば,この国に住んでいるほとんどの方は,相続税を収める必要にはかられないかと思います。
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